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李禹煥美術館

1日目は直島に滞在です。

続いて向かったのは、李禹煥美術館(LEE UFAN MUSEUM)です。

 

李禹煥は、1960年代後半から1970年代にかけて日本で起きた「もの派」と呼ばれる現代美術の中心的作家で、日本、韓国のみならず世界的に評価を受けています。

周囲の自然や建築と響き合う李さんの作品と対話する場として、安藤忠雄さんは谷間になった地形を活かし、作品に密着した空間を設計しました。

李さんにとって初となる個人美術館です。

 

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道路から階段を降りると現れる、柱の広場です。天気が悪いのが残念。

美術館側からは瀬戸内海が見える静かな谷間に建ち、この景観を活かすために半地下構造の鉄筋コンクリート造となっています。外部空間と地下の内部空間を緩かに繋ぎ、李さんの作品と対応し建物も最小限の要素しか用いていません。

 

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美術館入り口。壁に迫られた導線を通って洞窟に入り込むような感覚を受けました。

 

初めの作品が展示されるのは「照応の広場」という三角形型の砂利が敷かれた広場。三角形の先端部にかけて少し壁が低く作られています。竜安寺の石庭のような効果が生まれ、感覚的に広く感じる空間構成がされています。

 

美術館内部は5つの間に分けられています。

最初の部屋は「出会いの間」で1970年代から現在までの変遷をたどる事が出来ます。

点だけ、線だけで描かれた絵画、正直訪れる前は理解出来ていませんでしたが、静かに作品を眺めていると、線の擦れ具合や色の作り方に奥深さを感じてきます。たぶん。

 

次の部屋を繋ぐホールスペースに「小間」が設けられ、作品が微かな光に照らされまるで命が吹き込まれているかのように見えてきます。

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「影の間」には、石の影に映像が投影される不思議な作品があります。水や夕日の映像が

石のうちに秘められた時間の流れを見ているようで感慨深いものがありました。

 

そして、訪れた人を最後に迎えてくれるのが「瞑想の間」。

靴を脱ぎフローリングの部屋に入ると、そこには「対話」と題した3つの絵があるだけ。好きな作品の前に座ったり、時には寝転がったり、静かに作品と共に時間を過ごし、自分を超えた世界との対話をしてみてください。

 

コンクリート造の空間にありのままの石が置かれる事で、石に生命を感じ、表面に当たる微かな光によって生まれる影にも趣がありました。

石は自然が作り出した芸術なんだなと、これからまた自然を見る目が変わりそうです。

 

地中美術館から徒歩10分、無料バスに乗れば3分。大抵の人は地中美術館と順に拝観すると思います。趣向の違う芸術品の各々に調和し作品の良さを存分に引き出す安藤さんの建築はほんとに素晴らしい、ご本人が作品と、作者と、自然と、真剣に対話し考え抜いているからこその設計なのだと思います。

 

この日の宿泊は、ベネッセハウスの客室で、安藤さんの建築物に泊まれるのです!!

朝からワクワクが止まりませんでした、自己満ですがその模様も後ほど・・・。

 

一度チェックインをしてから、観光再開!次は家プロジェクトを巡ります〜。