犬島精錬所美術館
「瀬戸内海 島巡り」の旅 2日目は、犬島と豊島を観光しました。
まず向かったのは、岡山県に属する犬島。
船の時間の関係で2時間しか滞在できませんでしたが、充分楽しむことが出来ました。
|ω・`)ノ 。○(犬島ってどんな島なの?
そんな声が聞こえてきたので、お答えします。←聞いてない。
犬島は、人口約50人、面積は0.54m^2という小さな島で、周囲の4つの島々と共に犬島諸島を形成しています。
その中の犬ノ島という島に、うずくまった犬の形に似た巨石「犬石様」があり、それが犬島の名前の由来だそうです。
江戸時代より良質な花コウ岩である「犬島みかげ」の生産が盛んで、近年まで採掘していた採石場が犬島の名所となっています。
アート作品は大きく分けると3つで、今回はその中の1つ「犬島精錬所美術館」について記載したいと思います。
かつて、煙害対策や原料輸送の利便性の観点から犬島に建設され操業していた銅の精錬所。銅の価格の暴落などにより操業を中止してから、その後再開することなく閉鎖されてしまいました。
そのかつての大規模な精錬事業を感じることが出来る遺構が、美術館として今でも良好な形で残されているのです。
石の塀も残っています。崩れ具合がいい味を出しています。
この美術館は「遺産、建築、アート、環境」という要素を共存させることをコンセプトとしていて、建物だけでなく周辺一帯を公開しているところが特徴だと思います。
建築は三分一博志さんで、既存の花コウ岩、銅製錬の副産物であるカラミ煉瓦、煙突を活用し、自然エネルギーの太陽熱や地熱で、館内を夏は涼しく、冬は暖かい安定した環境を保つよう工夫がなされています。
トイレの汚水も植物の力で浄化させるなど、徹底的に自然に配慮した建築を目指しているところがとてもいいと思いました。
館内の作品も今までにないアート表現ばかりで、ハマります。
三島由紀夫を題材とした作品が多く、戦後の高度成長期に生きた彼と近代の幕開けの象徴である精錬所を重ね、現代社会へ強いメッセージを発しているのだとか。
そんな難しいことは置いておいても、文字と映像をコラボさせた作品には感動しました。詳しく書けないのが悔しい、ぜひご自身で体感してみて下さい!
美術館の裏の山に登ると湖が見えました。
切り立った崖と壊れかけた人工物の下に広がる手付かずの自然。
元はなんの建物だったのでしょう?見事な廃墟。
大自然の中で海に向かって建つ廃れた人工物。コントラストが何とも言えず素敵でした。
犬島は廃墟フェチの人にはオススメです!
ここの良さは、美術館となった今でも廃墟感を残しているし、本館を離れれば人も多くないので静かに楽しむことが出来るところです。
私も廃墟フェチな人間の1人なのですが、廃墟の魅力って何でしょうかね?
ねって言われても、という方いらっしゃったらごめんなさい。
好きじゃない人って写真見るのもなんか怖くて嫌って言いますもんね・・・。
でも廃墟には分類があって、たぶん”心霊系”と”廃墟系”。
あくまでも建物自体を鑑賞しているので、霊が出そうで怖いとかそういう事じゃなく、人の営みを感じ、その歴史に思いを馳せる・・・そんな感じだと思います。
私が1番好きなのは廃墟の遊園地です、話すと変な顔されるのであまり人前では言わないんですけど。(笑)
かつては人がたくさんいて活気に溢れていた空間が、寂しくなって朽ちている様子は悲しくて切ない。そこに魅力を感じます・・・。
最近(?)は、廃墟ブームなんて言われたり、雑誌や写真集も出版されているので、危険な思いをしなくても自宅で充分に楽しめます!
今回も話が逸れたまま終わりを迎える訳ですが、廃墟の魅力を感じ取っていただけたら幸いです。
次回は犬島の「家プロジェクト」。廃墟感0でお送りします!