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石の美術館

2014/08/06 那須塩原に温泉旅行へ友人と行った際、友人にお願いして芦野にある石の美術館へ一緒に行ってもらいました。

 石の美術館へは、那須塩原駅から黒田原駅まで電車に乗り、そこからはバスに乗って向かいました。

 

 バス停から美術館までも少し距離があって、田舎道を歩いていると突然石造りの建物が現れた!という感じでした。

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 道路沿いから見た美術館。天気が良くて、水面に建物が反転して写り込んでいました。

 

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 こちらがエントランス。石の橋を渡って入り口を潜るのは、秘密基地に入るかのような感覚でした。

 

 石の美術館(STONE PLAZA)は、建築家・隈 研吾によって2001年に建設された美術館で、日本の石材・建築としては初めてイタリアの国際石材建築大賞という賞を受賞した誇り高い美術館でもあります。  

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 美術館の原型は石蔵で、戦前から守られてきたものに新しい建物を付加して出来上がったこの美術館は、石と建築の新しい試みに挑戦しつつ、石文化の発信を目指しています。

 

 

 では館内の紹介を順にしていきたいと思います。

 

 最初に通るのが、「石と光のギャラリー」。

 ここでは石で作られた茶碗や灯篭が展示されていて、石から漏れる光の輝き、暖かさがシンと静まり返った小部屋の中ではより一層引き立ち、石の持つパワーを感じた気がします。

 石の壁は、厚み6mmの白大理石が積まれた石壁に組み込まれていて、外の光が透けて見える仕組みになっています。

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 電気を消した時の壁の様子。どこに人がいるか分かるのがやっと。

 ドアの横に電気スイッチがあって消灯していいとわざわざ書いてあったので、自然光の入り具合を自分で体感して欲しいという気持ちがあるのでしょうか。

 

 ギャラリーの横にあるのが「茶室」。

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 この茶室ももちろん石造り。実は日本で初めて作られた石造りの茶室だそうです。茶室の中の柱や壁・床の素材感の違いは、同じ白河石を使用しながら、石そのまま、中温焼成、そして高温焼成と温度を変えて石を加工することで全く違った質感を表しています。

 

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 間接照明以外にはこの天窓しかありませんでしたが、室内はとても明るく、屋根の木組みや質の違う柱の効果か、柔らかな落ち着きを感じました。

 

 橋を渡ると「石の学習室」があり、ここでは石の美術館を構成する栃木県特産の芦野石と福島県特産の白河石のでき方や地質、地層の紹介、または芦野石と白河石の採掘から仕上げまでの工程の作業の紹介、その他の石の種類や、焼成による石の変化を実物を触感で感じ取る展示が行われていました。

 

 部屋を出てエントランス方向を振り返った写真。太陽が当たって石が白く輝いていて綺麗です。

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 この水面に浮かぶ道は、松尾 芭蕉奥の細道で歩いた旧奥州街道から続く通り道としてデザインされているそうです。

 

 続いて通るのは「石蔵ギャラリー」、この美術館のメインギャラリーです。 

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 ここでは隈 研吾さんの過去の設計作品のパネルによる紹介とその原寸模型が展示されています。

 隈さんの、材料の持つ特徴を読み取り建築に活用する考え方に興味があったので、(この美術館に訪れた理由もそこにあります。)過去の作品を一覧で観れたのはとても嬉しいことでした。

 友達は建築を専攻している人ではないので、じっくりと図面を見る私を微笑みを浮かべながら見てくれていて(笑)、「嬉しそうだから一緒に来れて良かった」と言ってくれて。趣味に付き合ってくれる友達がいて本当に幸せを感じました〜。大概は、この子みたいに待たせちゃうのが申し訳なくて一人旅になるんですけどね〜。

 

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 ギャラリーの奥にはグランドピアノが。イベントのホールとして利用されることもあるのでしょうね。

 この石蔵は、農協の米蔵として使用されていて、芦野石が積み上げられています。 太平洋戦争当時の空襲で砲弾を受け空いた穴がそのまま壁に残っているというのには驚きです。

 

 最後の部屋は、「石と水のギャラリー」です。

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 このギャラリーは石を積み上げて造る組石の建物で、特徴は壁のスリットから自然光が直接内部に差し込むところです。それによって独特な空間を生み出しています。また、室内にも水が引き入れられていて、 幻想的でした。

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 エントランスから水面に浮かぶカフェの紹介を少し。

 受付ホールの機能とともに営業時間内は「石蔵喫茶~HONJIN~」がいつでも営業しています。電車の時間の関係でくつろぐことが出来ませんでしたが、石蔵の落ち着いた雰囲気の中でゆっくりとした時間を過ごしてみたかったです。シフォンケーキが美味しいみたいです!f:id:jyankshon:20150203193915j:plain

 テラス席。物を落としたら・・・と思うとひやっとします。

 

 石の美術館は、初めに記載したように隈 研吾さんの設計で、石と自然の関わりを考えた他にはない美術館になっていると思いました。

 

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 黒田原駅からの眺めでお別れです。