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ベネッセハウス ミュージアム

今日は、直島の中核施設である「ベネッセハウス ミュージアム」について書いていきたいと思います。

 

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私が宿泊した「パーク」の近くにある草間彌生さんの「南瓜」!宿泊の話は後半で。

 

この記事、書きたいことが多すぎて、まとまらないパターンのやつ・・・。

自己満要素が強くなるかもなので、ご了承ください。

 

石の塀が立てられたスロープを登ると、美術館の入り口が現れます。(写真は撮影出来ないので公式サイトからの添付です。以下同様。)

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この「ミュージアム」に宿泊する人も同じ入り口から入ります。まさに美術館に住んでいる様。

 

ベネッセハウスは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として、安藤忠雄さんの設計により1992年に開館しました。ホテルは「ミュージアム」と「オーバル」「パーク」「ビーチ」の4棟からなり、それぞれ違った個性で宿泊客を出迎えてくれます。

 

分割し設計されているベネッセハウスの美術館部分にあたる「ミュージアム」は、外に向かって大きく開かれた構造をしていて、室内にいても常に外部の自然を感じることが出来ます。

 

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杉本博司さんの作品「タイム・エクスポースド」は、レストランから見える外のコンクリートの壁に張られていたり、外に展示してある作品もいくつかありました。

 

館内には収蔵作品に加えて、著名なアーティストたちが直島のこの場所のために制作したサイトスペシフィック・ワークが恒久設置されています。

 

アメリカの現代芸術家のリチャード・ロングが訪れた際、ここで制作したいと言い出し、美術館の壁に直接、筆を走らせたそうです。

それ以来、この美術館では評価の決まった作品を買い付けて展示するのではなく、作家自身に設置場所を決めてもらい、直島に泊まり込みで制作してもらうことにしたらしいです。

作家に直島で感じたことをそのままに表現してもらうには、最高の手段ですよね。

でも、リチャード・ロングは宿泊していたベネッセハウスの壁にも絵を描いてしまって、建築をした安藤さんとしては、白い壁はそのままにして欲しかったと苦笑いされていました。

 

そうして作られたのが「瀬戸内海の流木の円」と他2点。

ダイナミックで感性のままに作られた作品、誰でも作れそう・・・とか思っちゃダメ。

 

続いて、2階へ。

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コンクリートの曲線美しい〜。すき間には雑草が!

実はこれ、立派な作品なんです。その名も「雑草」。須田悦弘さんのデザインです。

 

2階には客室がそのままあって、ちょっと不思議な感じでした。

宿泊者は閉館後も消灯時間までは美術館内を回ることが出来るらしく、好きな作品を独り占めなんて羨ましい限りです。

 

ぜひ見てもらいたいのは、ブルース・ナウマンの「100生きて死ね」。

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吹き抜けの円形のホールに大きな電光掲示板が置かれています。

書かれている英語を読んで笑うも良し、ボーッと点滅の回数を数えるも良し、個人的に眺めているのが1番楽しかった作品です。

 

著名な海外の作家と日本の作家の新しい作品を共存させる展示スペースを作るのは、なかなかに難しいと思います。

この美術館は、フロアを細分化したり、段差を設けたりしつつ、一本の導線が生まれるよう設計されているため、タイプの違う作品たちを緩やかに結びつけられるのだと思いました。

 

この日の夜は、海沿いの「パーク」という客室に宿泊!幸せ〜!!

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間接照明の優しい明かりが木にマッチしていて、落ち着きのある空間でした。

ベランダからは海だけでなく、屋外に展示してある作品7点が見えます。

あと、地下に設けられた美術館の作品も上から眺められます。

 

見てるだけじゃね、そりゃ外行くよね。雨キリキリしてるけど気にしない。

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芝生がキレイな時期じゃないし、天気もこんななので、写真映えしませんが・・・

客室すべてが海に向くように一列に配置されているのがよく分かります。こんなに広いと思わなかった。

 

右下にある箱は、ダン・グラハムの「平面によって2分割された円筒」という作品です。

特殊なガラスを使用しているのか、反対側にいる人と写っている自分が同じところにいるみたいな錯覚を起こす不思議な空間で面白かったです。

 

「パーク」から「ビーチ」は、ショップとテラスレストランを挟みながら繋がっています。「ビーチ」の方に用はないけど、探検。

 

ショップに向かう通路にも作品が。

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テレジータ・フェルナンデスの「ブラインド・ブルー・ランドスケープ」。

1万5千個のも及ぶガラスキューブは、まるで上から落ちてくる雫の一瞬を捉えるかのように壁一面に散りばめられています。

大小さまざまな大きさのキューブには屋外の景色が映り込むと同時に、鑑賞するもの自身も映り込むという仕掛けになっています。

お陰で、私の携帯のイエローハートのカバーがガッツリ映り込んでいる・・・。

 

ゆっくりと何度も往復して覗き込みたくなる素敵でワクワクする空間でした。

 

また、玄関ホールから降りることが出来る地下には杉本博司さんのギャラリーが設けられていました。

天井に照明はなく、足元が「光の棺」という棺桶をモチーフとした箱で照らされています。

これらの作品は、ベネッセハウス宿泊者のみ鑑賞できることになっています。

 

客室のデスクの中には、直島のガイドブックや安藤忠雄さんの作品集が入れられていて自由に読むことが出来ます。親切な心遣い。

なんか寝るのがもったいなくて、ワクワクして眠くもなかったので、ずっとその本たちを読ませていただきました。そんな感じで満喫しきりました!

 

有名な建築家が建てた建築物に泊まった(長時間滞在した)ことがなかったし、したとしても然程変わりはしないだろうと思いましたが、ゆっくりとその空間で時間を過ごすと、細部の工夫や利用してみて分かる使いやすさが分かってきて勉強にもなったし、安藤さんの建てたホテルに泊まってるんだ〜っていう幸福感が半端じゃなかったです。そこまで自分は熱烈なファンとかじゃないと思っているのですが、やっぱり幸せでしたね。

まとめバカみたい。でも、そのくらい理屈じゃなく感覚で素敵だな〜と感じる部屋なのです、さすがとしか言いようがない本当に贅沢なホテルでした。

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